禁断の恋、する?
「えへへ。憂とユウがいなかったらあたし、絶対にここ受かってなかったよ……本当、勉強たくさん教えてくれてありがとね!」
「ううん、姫花ががんばったのよ」
勉強が大の苦手で、高校に進学できるかどうかすら怪しいと言われていた姫花。
だから、その姫花が中三の夏、急に勉強をがんばると言いはじめたときは驚いた。
詳しく聞いてみれば「みんなと同じ高校に行きたいから」というかわいらしい理由で、あたしと……もうひとりの幼なじみ、風見悠斗は受験の前日まで姫花の勉強を見ていた。
だから、無事に3人の手元に合格の通知が来たときは大喜びだった。
そして——今日がその、入学式の日。
「姫花、やっぱり似合うわね。制服」
そう言うと、姫花は少し恥ずかしそうにスカートの裾をつまんで俯いた。
「えへへ、そうかな……?」