夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

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「わ～っ！ひっろ～い！」

お腹を十分に満たした後にバロンが連れて来てくれたのは、私達が今日宿泊する場所。

最上階の角部屋で、ダイニングキッチンまで付いた綺麗なリゾートホテル。
バルコニーに繋がる大きな窓からは海や夜景が見渡せるし、奥の寝室には大きなベッドが二つ。
こんなの、雑誌でしか見た事ない。


「ま、この前の宿と船室に比べたらだいぶマシでしょ？」

部屋を見渡してはしゃぐ私を見て、バロンは荷物を棚に置きながら微笑む。

マシどころではない、充分過ぎる。
こんなに素敵な部屋を用意してくれるなんて、彼はどこまでデキる男なのだろう？と思った。


「さて。
明日からは街中歩いて、夢の配達人の隠れ家に関する情報取集するよ」

「は～い！」

バロンのおかげですっかりご機嫌な私。
まるで警備員が隊長に向けてするみたいな敬礼のポーズをすると、私の頭をくしゃくしゃ撫でた彼が言った。