夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

ローザはアルバート様のお気に入りで、建設以来ずっとここを守ってきた女性。
アルバート様が不在の際はこの別荘内の事は全て彼女が取り仕切る。


そのローザの存在を、外見だけで判断した彼。

本当に、何者?
そして、何を……企んでいるの?


疑問と困惑の気持ちが溢れる私。
心の問い掛けを口にも出来ずに茫然と佇んでいると、更に彼からの信じられない言葉。


「私は今から、警備長を倒します。
そしたら私を、ここで雇って頂けませんか?」

!……えっ?

「……お嬢様の召使いとして。
必ずや、お役に立ってみせます」

その場にいる全員に聞こえるくらいのハキハキした声でそう言った彼は、胸に手を当ててローザに深く頭を下げた。


それは衝撃の申し出。
私は驚きのあまり、”鳩が豆鉄砲を食った”という言葉がピッタリな表情をしていたに違いない。

これには見ていた使用人達も、顔を見合わせながらザワザワとし始める。
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