夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

(3)


順調に事は運び……。
召使い兼、家庭教師という俺の仕事が始まった。

アカリはハッキリ言って、色々と酷かった。
勉強も、ダンスも、ピアノも……。最初、何をやらせてもグタグタの初心者。


でも、いつも一生懸命だった。
俺が褒めると、本当に嬉しそうだった。


アカリは俺に”バロン”という名前を付けた。
そしてその後日、幼い日に”ヴァロン”に会った出来事を俺に話し出した。

もしかして、何か勘付いているのか?
と、少し驚く気持ちと同時に……。
あの三毛猫をとても大事に育ててくれた事。
俺の事を、覚えててくれた事。

アカリの気持ちが伝わってきて、俺は素直に嬉しかった。
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