夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
……しかし。
バロンが背後に隠していた”物”を、バンッ!と机の上に置かれた瞬間。
和んでいた空気は一変する。
「はいっ!では休憩はここまで。
後半の勉強に参りましょう、お嬢様!」
彼が満面の笑みで、机に置いたのは……。
ーー分厚い問題集。
「っ……バロンの意地悪ッ」
上がっていた気持ちを一気に落とされる。
これがバロンのスパルタ教育。
でも。
バロンに構ってもらえるのが嬉しくて、私は何だかんだ頑張ってしまうのだった。
ヴァロンと一緒に居た時。
猫バロンと一緒に居た時。
そしてバロンと居る今、同じように暖かくなる。
私を独りにしない。
私を寂しい気持ちにさせない。
私が今笑顔で居られるのは、間違いなく貴方のおかげだよ、バロン。