Kissしちゃう?
 二人で早紀の部屋に入ると、彼女が、


「暖房、入れた方がいいわよね?」
 

 と言ってきた。


「ああ。いいの?まだ付けなくても大丈夫なのに」


「だって、真二震えてるもん」


 言われてみれば確かにそうだ。


 僕は辺りの冷気で、凍えるように寒い思いをしていた。


 早紀がすぐにエアコンのリモコンを握って、暖房を入れる。


 部屋中に満遍(まんべん)なく暖気が満ちた。


 僕は早紀が食事を作ってくれる間、プールの消毒液の匂いが幾分付いてしまった体を揺らしながら、寒さを凌ぐ。


 暖房がある程度利いたところで、僕はエネルギーの無駄遣いは止めようと思い、電源を落とした。


 思い切って窓を開けてみる。
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