不覚にもアイツにときめいた
「そろそろお昼だから、ご飯にしちゃいますか!」


近藤さんが、声掛けしたその時、


「あ!私!アヒージョ作って来たんですけど~!」


原田さんが手を挙げた。


(ゲ…。俺アヒージョあんま好きじゃねーんだよな。)

その時原田さんと目が合った。


俺は作り笑いをした。


それに引き続き、


「私はアボカドサラダを」



「私はチーズフォンデュを」



「私はアサイードリンクを」


女子社員が次々、バッグからタッパーを取り出した。


「さあ、遠藤君召し上がれ🖤」



そして全員俺に持ってきた。


…マジかよ。

これを食えと…?

男性社員の視線が痛い。

(…ガッツリ肉食いてー…。)


だけど女子社員を敵に回してはいけない。


そして俺はまた作り笑いをした。


「おーい、皆BBQの準備もしよーよ。」


(…あ。肉…。)


だけど女子社員達が一向に俺から離れない。


まるで俺は檻に入れられた草食動物だ。


女子社員の目が女豹のように怖い。

奥では田中と部長と近藤さんと男子社員数名がBBQの準備を始めていた。

(…すんません。皆さん。)










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