ニコニコ星人にご注意を

次の日。
朝…少し迷いながら、アオトのいる車両に
乗り込んだ。

中を見渡すと、アオトがいた。

え?

隣にいる人と話してる。
女の人…。
まさか…奥さん…?


予想してなかったことに、ビックリして
立ち止まったせいで、
後ろの人とぶつかってしまった。

謝りながら移動すると、声に気がついたのか
アオトがこっちを見ていた。

目が合うと、嬉しそうに手をあげる。

隣の女性もニコニコしながら、
あたしに軽く頭を下げた。


つられて頭を下げたけど、近くに行く気には
なれなかった。


…決まりだよね。
あんなキレイな女の人。


もう…消えてしまいたい。

ドアの側に立てたのをいいことに、
駅に着くなり、あたしは飛び降りて
駆け出した。


ランチ中も、まだぼーっとしてしまって。
同僚に、今日どうした?と、心配される
始末。

ほんと、何やってるんだろ。
勝手に盛り上がって、勝手に落ち込んで。
アオトにしたら、なんのこっちゃって
感じよね…。

空回りもいいとこだよ。


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