憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
大袈裟に考えながら、自分には難しいことだと思うと更にハードルは上がっていく。

しかも、あの同級生達がこの会場内にいると分かった以上、どこで見られているかが分からないから怖い。

今更、子供の頃のように嫌がらせなんてしてこないとは思う。だけど、以前のトラウマのせいで、私は安堵なんてしてられない。


いっそ自分が何処かに消え去ってしまいたい。
折角、理香子や円香が応援してくれたけど、そんなの台無しにしてもいいくらいの心境だ。


(そういうの思っちゃ駄目だと思うけど、坂巻さんに私は不似合いだから…)


ずっと目線を伏せたままで食べ終えた。
ゴミ捨てに行くと言う彼の声に反応して、私は慌てて立ち上がった。



「私が行ってきます!」


せめてそれくらいしたい。
露店の商品代金も全部、坂巻さんが出してくれたんだから。


「いいよ。俺が捨てに行って、ついでにノンアルのビールも買ってくるから」

「それも私が買ってきます!車も出して貰ってるのに、何のお返しもナシじゃ申し訳ない!」


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