憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
アイスくらいなら積極的にいってもバチは当たらないよね…と思って手に取った物を見つめ、坂巻さんは一瞬驚いたような表情を見せたけど、直ぐに笑顔に変わり……。


「また気が合った。諸住さんも好きなんだ。ミントチョコ」

「はい、私、夏になると毎年コレにハマって…」


大好きなんです!とアイスの袋を手にして肩を竦める。
彼は可笑しそうに「ふふ」と吹き出し、「俺が奢るよ」と言って手を伸ばしてきた。


「だ、駄目です!」

「え?」

「あ、いえ、あの…これは私が払います。坂巻さんの分も一緒に払わさせて下さい」


この間のミントティーと今日の夕食のお礼…と言えば、彼は多少困惑気味で。


「そんなに言うなら」


迷った挙句、アイスの袋を手渡してくれた。
私はそれを受け取るとやっと肩の荷が下りたような気分がして、意気揚々とレジに向いて歩いた。



こんな思いがけない共通点があるなんて嬉しかった。

憧れの彼と、こんな小さな事でも似たところがあると思うと幸せだ。


(これでもう次がなくても大丈夫)


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