手をつなごう
「はい、二人にお土産。
多分、ここに来たら3人のいない時に
彩先生に渡せると思って。
いつもお世話になってるからね。3人にはないから内緒ね。」

「ありがとうございます。
良いんですか?ホントにもらっても。」

ハニカミながら聞く彩ちゃんに

「もちろん、先生に買って来たんだから。」って。

良いヤツなんだけど……

悠って……罪作りだよなぁ。

彩ちゃんのお土産は、キティちゃんのご当地キーホルダーと八ッ橋。

せめて、形に残らないものなら良かったのに………。

彩ちゃんが気になって、チラチラ見ていたら。

「先生、唯ちゃんにも買って来てますか?」って。

えっ!!

オレをジロッと睨んでる悠。

イヤイヤ、何も言ってない!!

慌てて首を振っていたら

「先生って…唯ちゃんのこと………好きですよね。
見ていたら、分かります。」って。

これには、オレも悠もびっくり!!

「えっ、あぁ~いや…………。」

返事に困ってる悠に

「もし買ってないのなら、このキーホルダーは唯ちゃんにあげると良いですよ。
この間の遠足で、仲良く話せるようになったんだもん。」って。

あれ??

彩ちゃんって……悠のこと好きじゃなくなった??

驚いたのは、オレだけではない。

悠も………

「なんで分かった??
もしかして………3人にもバレてる?」って。

「う~ん。
バレてる………かなぁ~。
先生、自分が思ってるよりも………あからさまだから………。
園長先生達も………。」

「ゲッ!!園長も!!
あぁ~。洋ちゃ~ん。どうしよう~」

情けない声を出す悠に

「あっ!でも、唯ちゃんは全然分かってないから……大丈夫ですよ。」って。

まぁ、そうだろうね。

あの子は鈍そうだもん。

「あっ、お土産は彩先生のだから……もらってね。」って…

力ない声で伝えた。

彩ちゃんは、本当に大丈夫なの??
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