手をつなごう
「彩ちゃん、荷物持った??」

今日から一泊二日のお泊まり旅行。

彩ちゃんとオレ。3人と悠と…………八百屋のおじちゃん。

八百屋のおじちゃんの知り合いが、田舎に別荘?らしき家を持っていて

毎年、夫婦で借りてるんだそうだ。

今年は、娘さんの出産に奥さんが行っていて旅行出来ないのに

断るのを忘れたらしくて………

『別荘には、食料もいっぱい入れてあるから友達でも誘え』と言われたって。

お袋達が誘われたが、海外旅行を入れていたため…………

オレと悠が、強制的に行く事に。

男3人だと、せっかくの食材がムダになりそうで…………

夏休み中の先生達を招待した。

唯ちゃんは体調不良で行かないらしいが

賑やか3人は、二つ返事でOKだ。

変なメンバーだけど…………

まぁ、それなりには楽しめそうだ。

車で揺られること………二時間。

オレと悠の車で出発。

オレの助手席は彩ちゃん。後ろは、海晴ちゃん。

悠の車の助手席が……おじちゃんで、後ろに夏苗ちゃんと梓ちゃんが座ってる。

「彩、こっちでいいの?」

おや?……………海晴ちゃんは…………知ってる?

さりげなく、チラリと彩ちゃんの様子を伺うと。

「洋ちゃんも知ってるんだ。彩の事。」って海晴ちゃん…………。

海晴ちゃんって……………かなり鋭い?

「そっ!洋ちゃんには、バレてるの。
もちろん、こっちでいいよ!」と答える彩ちゃんに

「唯ちゃん、自分の気持ちにまだ気づいてないんだよ。
このままだと…………先生の片思いで終わるんだよ?」と

『気づいてない今がチャンスだ』と薦める海晴ちゃん。

大きく頷くオレを、チラッと見て

「もう少しで、唯ちゃんも気づくよ!自分の気持ちに…………。
先生の片思いも、終わりになる。」と

彩ちゃんは……確信を持って言っている。

…………………ホントか??

本当に、悠の恋は実のか???

予言のように話す彩ちゃんに、海晴ちゃんと二人……首を傾げる。

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