手をつなごう
そんな事を考えながら…………ふと外を眺めると……

唯ちゃんがいた。

彼女は、相変わらずみんなに守られていて………めったに一人でいることはない。

大概、四人が一緒だ。

「唯ちゃん。」

オレが声をかけようとしたら……

少し小太りの、50代のオヤジが……唯ちゃんの腕を掴んだ。

誘拐??

二十歳を越えた大人だが、見た目は女子高生で通るだけに……

ヤバイ!!と思い、店を飛び出した。

「唯ちゃん、大丈夫?!」という、オレの声に被さって

「~先生、止めて…。」と唯ちゃんの声が。

先生??

アイツ………先生だったのか????

どう見ても、痴漢のオヤジにしか見えないが………

唯ちゃんが、先生というんだから……

そうなんだろう。
< 35 / 46 >

この作品をシェア

pagetop