生徒会長は女の子が苦手です
七瀬の家に着くと、起こさないように、静かに鍵を開けて、七瀬の部屋へ向かう。


音を立てないようにしてドアを開けると、七瀬はうつ伏せに寝ていた。


顔、むくみそう…。


すると、七瀬は寝返りを打って上を向く。


まだ無事だな。むくんでない。


寝ている七瀬を起こすわけにもいかないから、部屋を出て、キッチンに立つ。


七瀬がいるときは、全部七瀬に任せてたけど、別に料理ができないわけではない。


ということで、冷蔵庫を開ける。


そういえば七瀬、唐揚げめちゃくちゃ好きだったよな…。


…うん、材料はある。


風邪ひいてる子に唐揚げを食べさせていいのかはわからないけど、

そして、七瀬に食欲があるかわからないけど、


そんでもって揚げ物作るの嫌いだけど、


七瀬のために作ろうか。


七瀬に食欲なくても冷凍しといてもらったらいいからね。


そう思って唐揚げを作る準備を始める。


喜んでくれるかな…。


そう思ってのんびり唐揚げを作っていると、揚げ始めた途端、揚げ物の音が大きかったのか、のっそり七瀬が出て来た。


「い、おり」


「ん、おはよ。調子はどう?」


「ん、だいぶマシ」
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