生徒会長は女の子が苦手です
まじ?


そんな子まだいたのか…。


「伊織ー、ファイル持ってー、放送室行くよー」


「は、はーい」


やばい、俺、死ぬかも。


放送室の前に着くと、1年のスリッパを履いた女の子が1人立っていた。


「あ、あの…っ!石原先輩っ!」


「は、はい!」



女の子の勢いにつられて同じように返事をしてしまう。


七瀬はこの光景を見て、俺の耳元で、


「1年3組山崎里穂」


とだけ囁いて先に放送室に入っていってしまった。


なんでこんな時に…。


なかなか忙しいんだけど…。



「あのっ、ずっと好きでした!つ、つきあって、くれませんか…っ!」



あぁ、もうどうしよう。


泣きそう。


女の子苦手なんだって…。



「ご、ごめんなさい…、ほんと、すいません…」



年下に敬語を使っているあたり、だいぶ重症なんだろうね、俺。


「そ、そんな、謝らないでください!先輩が女の子苦手なの知ってますから…。


こっちこそ迷惑かけてすいませんでした…。ありがとうございました…っ」


そう言って走り去って行ってしまった。


フラれたショックで女の子は泣いてしまっていたし、俺も告白されたショックで半泣きだった。


俺は泣きながら放送室に入った。


「伊織…なんで泣いてんの」
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