生徒会長は女の子が苦手です
「女子がー…」


「泣かないの。今から練習だよ?」


放送室には誰もいない。


七瀬は俺をなだめて椅子に座った。



「今から放送入れるから静かにしててね」



そういうと、七瀬は機材をいじってマイクのスイッチを入れる。


『全校生徒の皆さんに連絡したします。


クラスの準備が終わり次第それぞれ練習場所に移動してください。


1年生は第1グラウンド、2年生は第2グラウンド、3年生は第3グラウンドに移動してください。


なお、ルール確認については各学年クラスの体育委員、もしくは生徒会役員に聞いてください。


1年生については30分おきに私、南が確認に行きます。急ぎの用がある場合は第3グラウンドまで来てください。


5分後にグラウンドを解放します』



そう放送を入れ、立ち上がる。


「はい、伊織、これ第3グラウンドの鍵。私第1グラウンドに寄ってから行くからよろしく!」


「わかった…」


若干鼻水をすすっている俺はだいぶみっともないと思う。


仕方がないから鍵を持って第3グラウンドまで走る。


すると、第3グラウンドの施錠された門の前にたくさんの生徒がたまっていた。


早いなぁ。


「ごめんね、道開けてもらっていい?」
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