生徒会長は女の子が苦手です
七瀬は生徒会の仕事があるからと、競技の途中だが、生徒会テントに戻ってきた。


「お疲れ様」



帰ってきた七瀬にタオルとお茶を渡す。



「ありがとう。本戦出れるかなぁ」


「ななちゃんめっちゃ速かったから大丈夫だよっ!」


「そうかな、ありがと」



それから3レースなかなかの接戦で、1位の4人の出場者が決まった。


後残りひと枠。



『先程、100メートル走の結果が出ました。


本戦に出られる最後のひと枠は…』



焦らすように溜めが入る。



『3年7組、南七瀬さんです』



「ななちゃんおめでとおおおお!」


「ありがと!!頑張るね!!」



2人はパチパチと手を叩き合っている。


かわいいなぁ…七瀬が。



「恋菜ちゃんめっちゃかわいい…」



横で桃矢がつぶやく。



桃矢ほんとに変わったな…。



昔なんか二股は当たり前だし、くるものを拒まず去る者を追わず、かわいい女子は自分から声かけに行くしでなかなか最低野郎だったのに。


今では、そんなこと見ないし聞かないし、佐倉さんだけだよなぁ。



「一途になったんだなぁ」


「会長もなかなか一途だよね。3年前から七瀬ちゃんのこと好きなのバレバレだよ?」



桃矢は俺にそうつぶやく。



「まぁな。全然振り向いてくれないけど」
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