生徒会長は女の子が苦手です
ほんと、よくできた子だ。


こうして、七瀬の好かない段取りが悪い状態で体育祭は幕を開けた。



『ここからの放送は放送委員が担当いたします。


プログラム1番、女子100メートル走予選。


選手の方はグラウンドの中心、体育委員のいるところにに集まってください』



マイクを通して隣のテントにいる放送委員の声が聞こえてくる。


「私出るから行ってくるね」



そう行って走って行ったのは七瀬。


七瀬もそこそこ走るのが速いから100メートル走に選ばれていた。


全学年が出場する100走。


8クラス3学年が、6人ずつ4レースを走る。


本戦に出られるのは各レースの1位と、1番速い2位の選手1人の合計5人。


予選はくじ引きで相手が決まるので運勝負なところもある番狂わせを起こしやすい競技になっている。


まぁ、七瀬が勝てるかどうかは別だけど。



いつもはおろしている長い髪をポニーテールに結ってクラスカラーの赤いハチマキを巻いている。


うん。うなじがやばいねこれ。


七瀬は第1走者らしく、しょっぱなガチガチの状態で出てきた。



『位置について、よーい』


体育委員の放送の直後、ピストルの合図が鳴り響く。


それと同時に走り出して、瞬く間にゴール。


七瀬は2位だった。


んー、本戦出れるかな…。
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