生徒会長は女の子が苦手です
『プログラム6番、100メートル走本戦。


女子レースから行います。準備してください』



「恋菜、行ってくるね!」


「いってらっしゃい!頑張ってね!!」



それから七瀬はグラウンドの中心に駆け足で向かって行く。


それを追うように俺も走って行く。



そして七瀬に小さい声で声をかける。


「頑張って」


「え…」



七瀬はきょとんとして、少し顔を赤くするとニッコリ笑った。



「もちろん」



そう小さい声が返ってきた。



『位置について、よーい』



ピストルの合図が鳴る。


七瀬がスタートする。


100メートルなんて短い。


すぐに終わってしまう。


最大の敵は予選で同じレースを走っていた陸上部。


七瀬はその子を追いかけるように全力疾走。





そして、七瀬は陸上部の半歩前に出た時、ゴールテープを切った。


グラウンドが湧き上がる。



『女子100メートル走1位、南七瀬』



その放送と同時に、うちのクラスは大きく湧き上がった。


途端に、遠くから裕樹の大きな声が聞こえてくる。




「伊織もがんばれよおおお!!」



俺は裕樹の声援に苦笑いをしながら、ふと七瀬の方を見ると思いっきりずっこけていた。
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