恋のコーチは期間限定
「そう。それがコンチネンタルグリップです。
 パワーヒットは出にくいけど、今の美希さんにはそっちの方がいいと思う。
 サーブもこれで打ちましょう。」

「サーブまで?」

「はい。サービスもこの持ち方です。」

「サービス?」

「あ、サーブのことです。
 サーブともサービスとも言います。」

 なるほど呼び名も色々あるんだ。

「………蒼葉くんもこの持ち方?」

「はい。そうですけど。」

「じゃそうするわ。」

 少し彼から離れて「打てるかな……」とサーブのフォームでゆっくりと素振りをしてみる。

「まぁまずはコート内に打ち返す練習をしましょう。
 コンチネンタルグリップに慣れるのが目標です。」

「はい。コーチ。」

 目を丸くした蒼葉くんがハハッと照れたように軽く笑った。

「コーチの呼び名に恥じないようにビシバシ行きますよ!」









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