【完】武藤くんって甘くない
「田中はいつもご機嫌だよな」



「武藤くんのことをいつも考えてるからだよー」



「…へぇ。よくそんな恥ずかしいこと言えるな」



あたしを見て苦笑している。



呆れちゃった?



「それでもいいもん、本当のことだから」



「ふーん」



反応薄いっ。



あたしに好かれても、そんなに嬉しくないんだろうなぁ。


わかってはいても、ちょっと寂しい。



気まずくなるのが嫌で無理に笑ってみる。



そうしたら武藤くんがあたしの頭を軽く抱え込んだ。



…へっ?



「そんなに俺のことが好きなら、もう心配かけるなよ」



ギュッと力がこめられ、武藤くんの胸に顔を押し付けた状態になる。



うっ…わぁ。



心臓がどっくん、どっくんって鳴ってる。


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