すべては、
「無理矢理はー!ごめんなさいー!」



なんとか手から力を抜いてもらい、私は心の中で安堵の溜め息を吐いた。



「すみません…私、こういうの初めてで…痛いのも怖いし…緊張もしてしまって…」


「誰だって初めてはある。痛みを無くすことは出来ないが…
お前の願い通り優しく入れてやる。俺に任せろ。」



先輩は私の頭をぽんぽんと撫でて微笑んだ。



「先輩…」



そうだよね。
先輩に任せたらきっと大丈夫。
心配することなんてないんだから、私ももう腹をくくろう!



「もう大丈夫です。お願いします。」


「じゃあ、入れるぞ。」



そして先輩は手に力を込めた。
















「先輩…優しくって言ったのに…一気に入れましたね。」


「お前のためだ。」


結局先輩は私の願いを聞いてくれなかった。


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