聞きたかったコトバ

冷めた少年







あーめんどくせぇ…





クラス委員て何すんだろ…





入学したと思ったらいきなりクラス委員決め。

しかもなんで俺なんだ?


まあたしかに俺にくる確率も計算してなかったわけじゃないけど


この少年が第1候補だと思ったのになぁ



ヒロヤは自分のななめ前に座る純朴そうな少年を見た。


えーっと、名前なんだっけ?
自己紹介ちゃんと聞いてりゃよかった



ササ…オカだっけ。


まあ次の休み時間にそれとなく話しかけてみるのもありか。






クラスは全部で37人。


しかしさっき数えたかぎり、35人だ。

入学早々来ないとなると、出席率はかなり低くなるんだろうな






そんなどうでもいい考えをめぐらしながら
窓のほうに目をむける。


まだ春休み気分、入学したての高揚感がぬけない高校1年生に
いきなり中学復習テストなんてものをやるのはおかしいと思うよ、先生。


もうちょい生徒をいたわってくださいな




さて、7割は書いた。

これで褒められはしないけど、怒られることもないな、きっと



今はこんな紙きれにむかうよりも
外の世界のほうがおもしろい。




グラウンドで、ソフトボールかな
やたら盛り上がってる








そんな体育の光景を

シャーペンをまわしながら鑑賞するヒロヤの他に

窓際で静かに見守る生徒がいた






夏木雫。



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