さようなら
「失礼します。遅刻しました。」

一気に俺に視線が集まってくる。俺はこんな視線が嫌いだ。
あえて無視して、相棒の櫻井さんのとなりに座る。


「では、誰かさんのせいで遅くなったが、今から今回当たる捜査内容について説明する。」


ギロッと睨みながらこっちを見てくる松本課長に一応謝りの視線を送っておく。

「いいか、今回の山は大きい。一人で単独行動はよせ。
今度中国医療センターから研修医が来る。それに合わせて、中華系マフィアの寵氏率いる蛇がしかけてくる、という情報が裏から来ている。多分研修医の中にスパイがいるんだろう。裏の情報は外れない。
それに…‥寵氏率いる蛇のスパイはただ者じゃない。
そこで今回、お前らに捜査を命じる。今度こそ、寵氏を蛇をとる。」


「それと…‥」

松本課長は俺を見てきた。
言いたいことはわかってる。
けど…‥
寵氏は、あいつは俺の両親を…‥…‥

絶対に…‥…‥

「おい。二宮!いいか、絶対に単独行動だけはするなよ。わかったか」

考え事を見抜かれた気がしたが、松本課長と櫻井さんの真剣な瞳におされ、

「はい。わかってます。単独行動はしません。」

そう、答えた。

「わかったなら、いい。今回この捜査は、櫻井、二宮に任せる。進展があったら随時報告するように。では櫻井たちは捜査へ、他のものは各自任務に戻れ。解散!」


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