剱聖伝
《まぁ…そう怒るな》


顔に着いた唾を拭いながら

苦笑いする。


それでも怒りがおさまる


様子は無く、爺のお説教


が始まった。


《だいだいあなた様は


この国の王子であらせられ

るお方ですぞ!!


やがてはこの国の王になる

身…軽々しく危険な場所に

赴くなど…それでも》


《爺っ》


耳をホジホジしながら


うるさそうに聞いて


いたクロードが口を


挟む。


《民が危険にさらされて


いる時にオレ達は安全な


場所で身を守れと!?》


《そんな奴が国の主か??


それで民の信頼を得る!?》

《そんなのが王に成る事


なら…オレはごめんだね》


…爺……オレは間違って


るか?!》


そう問われた爺は返す言葉

に詰まりおし黙る。


《……安心しろ。無茶


はせぬつもりだ》


まだ何か言いたそうな顔を

している爺をさとした。


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