剱聖伝
《うわっ!痛っつぅ…》


ラキは必死に走っていた。

何度も何度もつまずき、


転んで膝から血が出ても


かまわず走る。


早く助けを呼ばなきゃ


セシルドさんが殺される!!

気ばかり焦ってなかなか


思うように進まなかった。

それでも闇の中をがむしゃ

らに走り、やっとの思いで

小屋の前に辿りついた。


息を切らしながら勢いよく

ドアを開け、中に飛び込む



《ティア!!早くここから


逃げ……ろ》



《…やぁ久しぶりだねぇ


クソガキ》


《…なんで…お前が…》


驚きそれ以上言葉が


出ない。


《他の奴らはどうした!?》


ラキの膝がカクカクと


震えている。


< 79 / 384 >

この作品をシェア

pagetop