硝子の花片
私は池田屋の2階に居る。

…今までにどれほどの浪人を斬っただろうか。

相手は何十人も居るのに対し、新撰組の10名。
人数的不利を覆した近藤さんは凄いと思う。


ああ。私の愛刀、加州清光がボロボロだ…。刃こぼれは酷いし帽子も折れてる…。

そんなに、斬ったんだ。私。

でも前にはまだ残りが居る。
5人。5人かあ…。

私は間合いを詰める。相手は後ろに下がる。
私は一気に間合いを詰め、1人を斬った。
白刃が紅い闇に煌めく。

残念ながら、残り4人は逃してしまった。


カタカタ…

(…?)

気付くと私の刀を握る手が震えている。何だろう、恐怖とは違う。

何…?

次の瞬間足元がふわふわと浮かんでるような心地がして、倒れた。

(どうしたんだろう…私…)

起き上がろうとするも起き上がる力が出ない。

意識が朦朧として来る。だんだんと視界がぼやけてくる。天井と自分の距離感さえも掴めなくなっていく。

(…私、死ぬのかな…)

「沖田さんっ!!!」

聞き覚えのある透き通った声と見覚えのある綺麗な顔。

(桜夜さん…ごめん…)

そこで私の意識は途絶えた。
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