はちみつドロップス

そのまま何も言わすに教室を出て行く皇楽を、



「ホント素直じゃないなぁ~皇兄」


「いっそのこと取られちゃえば良いんじゃないかしら? その二年生クンに」


「それ良いねっ。賛成」



口々に勝手なことを言いながら三人は見送っていた。





ちょうどその頃。



トイレから戻ってきた天が教室でのやりとりなど知る由も無く廊下を歩いていると、



「天さーんっ」


「ギャッ!」



突然、背後から自分を呼ぶ声と同時に背中への圧迫感。



恐る恐る振り返った天の目に映るのは、



「と、鳥井くんっ!?」



昨日とてつもないインパクトで現れたバイト先の後輩だった。



騒いで足掻いて無駄に体力を使うよりも、



「鳥井くんっ。ちょっと離してくれる?」



出来るだけの平静で注意を促せば、



「涼希って呼んでくれたら離す」



超満面の笑顔で足元を見られ完全に主導権を握られてしまう。




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