はちみつドロップス

「なんでって……高原先輩が好きだからですっ」



何の躊躇も無くキッパリと答える椎菜は満面の笑みを浮かべて皇楽を見つめている。



「あーぁ。言っちゃったぁ……」


「ライバル出現……手強いね高宮?」


「……知らない。関係ない」



こう言ってモロに不機嫌な顔をした天はまた、顔を机に突っ伏してしまう。



「よしよし……いくらタイプだからってそう簡単に靡いたりしないよ。高原くんは」



小さくて女の子らしいライバルの出現に気を落とした親友を絵那が慰める。



「そうそう。それに、皇楽って……自分のタイプとは正反対の娘が案外好きみたいだし……なぁ?」


「はぁっ?」



ようやく椎菜が立ち去って隣を向けば、机に突っ伏した天とそれを哀れむような顔をして慰める絵那の隣に嫌な笑顔を浮かべた親友が居る。


この見ただけで溜め息必至の構図に案の定で皇楽の口から特大の溜め息が漏れる。



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