はちみつドロップス

「良いじゃないッスか。高原先輩がさっきの一年とイイ感じになってくれれば……俺はゆっくりと天さんを口説けますし」


「りょ、涼希っ」



一難去ってまた一難……。


どこから見ていたのか。

突然現れた涼希は何ともさり気ない仕種で天の背後からふわっと腕を回す。


それですかさず皇楽の顔色が変わる。
眉間に思い切りシワを浮かべた皇楽が涼希を睨みつけた。



「涼希っ。離れなさいってば」


「ヤだよ」


「…………」



腕を掴みながら自分から涼希を遠ざける。

それでもますます天に近づく涼希に皇楽の表情はさらに険しくなっていく。



「……素直に言ってしまえば全て解決するのに」


「えっ?」



そんな状況をずっと見ていた第三者たち。
呆れたように小さく呟いた慶斗を絵那はただ不思議そうに見上げていた。


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