暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】

終止符



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「ここ……………寒い」

あれから無理やり地下牢に入れられてしまった私の手腕は後ろに縄でくくられ、身動きが取れずにいた。


牢の前には武器を持った兵士が二人、篝火により薄暗く照らされている。

火により影がゆらり…………と揺れているよう。


「今はあれから何日経ったのですか?」

私がそう兵士に問うても、

「お前に教える価値はない。黙ってろ!」

と怒鳴られる。

まだ日は経っていないと思うけれど、他がどうなっているのかが凄く気になって仕方がない。

スフィア様を巻き込んでいないだろうか。

ギャビンさんやチベットさんに迷惑はかかっていないだろうか。

そんな事ばかり浮かんでしまう。


「この縄さえ切れれば……………どうにかなるかもしれないのに」

小さくそう呟いてみても、強く縛り付ける縄を切る打対策など浮かばず、時間だけがそこで過ぎる。

この感覚………………………何かあの時と似てるなぁ………。

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