暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


急に心臓の音が早くなるのを感じる。

『あの沢山の兵士に囲まれたりなどしたら、確実にもう逃げたりなど出来ないのだろうなぁ…』

そうポツリ心の中で呟いた時。


出入口付近から変な音が聞こえた。

男の叫ぶような苦しむような…………そんな声。

前に立っていたもう一人の兵士も異変に気づいたのか、様子が何やらおかしい。

だが、決して私の前からは離れない。


次第にその足音はこちらに近づいてくる。

____バタバタバタッ!!!!!


そして、

その足音をさせながらこちらに近づいてきた者達がついに姿を現した。


「貴様ら何者だ!!??」

武器を構えその者等に威嚇する兵士。

私はただその人物に目を見開かせていた。

「な、なんで……………ここに……」


その声は自分でも驚くほど震えていた。



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