黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
「さぁさ、うらら様。ダイニングルームへ。お食事を御用意しておりますよ」

「えっ、いや。私、お腹なんて空いてな……」


そう言った途端。

私のお腹の虫は『グー』と鳴って、慌ててお腹を押さえた。

考えてみたら、もう一体、何時間食べていないのか分からずで、私はお腹ぺこぺこだった。


オルビはそんな私を見てにっこりと笑った。

「シェフが腕によりをかけた、美味しいお料理を用意しておりますよ」

私は渋々とオルビに付いてダイニングルームへ向かった。




「すごい……」

食卓のごちそうを見て、驚いた。

そこには、ステーキ、ローストビーフ……どういう訳か肉が多かったが、今まで食べたこともないほどの豪華なごちそうが並べられていたのだ。

その料理の数々を見て、私の空腹はさらに耐えきれなくなってしまった。



「プリンセス！ 心ゆくまで、召し上がれ」

私にあてがわれた席の向かいにはレオパードがいて……この状況に対する不信感は拭い切れてなかったけれど。

私は空腹に勝つことができず、ステーキを一切れ口に運んだ。


「おいしい！」

並べられていたお料理は、ほっぺが落ちるほどおいしくて。

私はペロリと平らげてしまった。
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