強引な彼の甘い溺愛に囚われて!

昨日、こんな恐れ多い車に乗ってたかと思うとどうも遠慮がちになってしまい後部座席に乗り込もうとしたら

「助手席に座らないのか?」と言われてしまい恐る恐る助手席に乗り込んだのだ。


「学園までは車で15分掛からない。以前よりも着くのが速いかもしれない」

「へえー…」


なのに交通の便がない…と。

不便のような便利のような………


「マキ友達には連絡したのか?朝一緒に来てるって」

「ああっ!忘れてたヤバイっ!」


准一さんの言葉によって私は思い出して慌てて鞄から携帯を取り出す。

すっかりゆきのに連絡するのを忘れてしまっていた。

まだ待ち合わせの時間ではないから大丈夫だと思うんだけど…

3回ぐらいコールしたところでゆきのが電話に出た。


『もっしもーし。マキおはようー』

「お、おはよう!あのね、ちょっと今日一緒に学校行けないから先に行っててくれないかな?」


眠たそうな声でゆきのが『わかった~後でね』ということで私は電話を切った。

危ない危ない。連絡し忘れるところだった。



「大丈夫だった?」

「はいっ!…あ、…うん」


思いっきり敬語で返事してしまった。
< 55 / 321 >

この作品をシェア

pagetop