叶うはずもない恋
葉汰は家の近くで奏時に、今日思い出したことを告げた。
「あ、あのさ。あのさ、かな」
「どうした?」
「今日見たんだ。思い出した。俺とかなの昔のこと。かな、お前強かったんだな」
葉汰は笑ってみせた。
しかし、葉汰が見た奏時は驚いた顔をしていた。
そして、奏時は何かを言い、葉汰を壁に押し付けた。
「っ!おい!かな!やめっろっ。シャレにならない」
葉汰は、必死にもがくが、かなわなかった。
強い力ーそう葉汰は思った。
「…っ…とだ。やっと、やっとだ。ようちゃん。思い出してくれたんだね」
さっきまでの愛おしい奏多はもういない。
「かな!どうしたんだよ」
葉汰は必死に奏時に話しかけた。
「ねぇ、葉汰は、俺が強いの弱いのどっちがいい?」
「…そんなの…わからない」
「どこまで思い出した?全部?俺が葉汰を好きって言ったところは?」
葉汰は、衝撃でその場で気を失ってしまった
(かなが俺を好き?)