*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
 「ごめん…」

 (どうして修平さんが謝るの?)

 『ごめん』の中身が分からなくて、目をしばたかせた時、瞼から今度は二粒の滴がポロポロとこぼれ落ちた。

 修平さんは辛そうに目を細めて、その雫を指先でそっと拭い取る。
 それからゆっくりと私の顔に彼の顔が近づいて来た。

 その綺麗な顔から瞳を逸らすことができない。
 心臓が早鐘を打つ。
 あと少しで鼻先が触れ合うとき、私は恥ずかしさのあまり、両目をキュッと瞑った。

 『コツン』

 触れたのは額だった。
 そっと瞼を持ち上げてみると、私の額に彼の額がくっ付いている。
 熱を測る時に見られるおでこそのポーズに、私はひどく焦った。

 (まっ、漫画でしか見たことないヤツだ~~っ!!)

 心の中ではそんな叫び声を上げているのに、口を開くことが出来ない。
 すぐ目の前には大きなアーモンド型の瞳があって、私のことをじっと見つめている。

 吐息がかかるくらいの至近距離に、口を開くどころか、息を詰めて固まってしまった。
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