クールな御曹司の甘すぎる独占愛

「もう少し寝ていても大丈夫だ」
「ありがとうございます。でも今、何時ですか?」


晶は日曜日だから休みだが、奈々はこれから仕事がある。


「まだ七時前。店は十一時からだろう? ここからなら三十分で行ける。俺が送っていくよ」
「え、でも……」


せっかくの休みなのにと、奈々は心配になる。


「今日は一日、光風堂で奈々の仕事ぶりを見ようと思ってね」
「ずっとお店で?」
「そう、ずっと」


仕事中、晶がずっとそばにいてくれるのは嬉しいが、晶だってゆっくりと仕事の疲れを癒したいだろう。光風堂に一日いたのでは、それができない。


「ダメですよ。晶さんはお休みなんですから、自分の好きなように時間を使ってください」
「だから奈々のそばにいる。それが俺の好きな時間だ」


そう言って晶は奈々に優しくキスをする。
奈々は途方もなく幸せな気持ちに包まれた。晶といるときの奈々の心は不思議なくらい穏やかで、それでいて彼の言動にドキドキさせられる。

< 187 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop