お金持ちの幼馴染に恋をすると大変で
暑い夏に出会った3人
蝉の音、生暖かい風、夏の終わりに近いはずのなのに虐めるような日光

(日本はこんなに暑いのか…溶ける、溶けて排水口に吸い込まれる…)

私はトラックから運ばれる荷物を見つめながら思う

この暑さを感じるとイギリスに帰りたくなる

イギリスは雨が多くて寒いけれどこの暑さを感じるとイギリスが恋しくなる

私はコンビニ袋からペットボトルを出して口に運びながら周りを見る

(にしても…この辺は高級住宅街か何か?)

周りを見渡す限り日本の一般住宅よりも数倍大きい家ばかり

特に大きいのは和風の平屋そして向かいの洋風のお屋敷

(こんな場所にマンションを立てたな…確かに家賃は高いしマンションにしては広いけれどさ…管理会社の人は勇者だな)

「葵!何ボーッと立ってんの‼手伝いなさい!」

マンションの入口でスーツ姿の母さんに呼ばれる

「イマイキマース」

私は空になったペットボトルを歩きながら外のゴミ箱に向かって投げ捨てる

「投げない!」

「入ったんだからいいじゃんか!」






今日から日本での新しい生活が始まる
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