虫も殺さないような総長に溺愛されています
そんな、どこか刺激もありつつ平和的日常を繰り返していればだ。
彼らが背負っている微笑ましくない役職なんて忘れるというモノ。
忘れていたんだ。
そう、すっかり忘れてのほほんと愛され絆されて……。
でも、今思いっきり思い出しかけてる真っ最中だったりします。
何やら如何にも、THE 不良的な面々に囲まれ、自分の体は後ろ手に縛られ床に転がされ見下ろされている現状で。
視界に捉えられる情報的に……どっかの倉庫なのかな?
なんか……頭がぼんやりする。
「へえ、これがあいつの女?」
あいつ?……あいつって…
「結構可愛いじゃん」
何かよく分かんないけど『ありがとう』魚っぽい顔の人。
えーっと……何でこんな事になったんだっけ?
確かみんなで駅前のアイス食べに行ってたんだよね?
それで食べながら和気あいあいして…、途中でトイレに立って……、ああ……トイレから戻る最中になんか背後から抑え込まれてハンカチみたいなの口に……、
「っ…て、ぎゃあぁぁぁ!!」
「っ…何だよ、何でいきなり叫んでるんだよ?」
「ははっ、今更まともに目覚めたのかよ?」
「今更恐怖実感しちゃってる?悪いねえ、恨むならお前の彼…」
「今何時!!?」
「あっ?」
「今何時かって聞いてるの!!?6時過ぎた!?過ぎたよね!?」
「あっ?……6時半だけど」
「っ………終わった」
「はぁぁ?」
「お祖父ちゃんに怒られるぅぅぅ」
「はぁぁぁぁ!?」
あああ、もう最悪だ。と、絶望に落ちたかの様に項垂れ気が遠くなる。