虫も殺さないような総長に溺愛されています




イチカ君とカナイ君も引きつった笑みで「いえ、お構いなく」なんて言っているし、私に寄り添っていたタロ君でさえも、

「あのさ、花さんの家って普通って…」

「パパとママは普通の会社員だよ。でもお祖父ちゃんは結構そっちの方で名を馳せた組頭…らしい」

「【らしい】なんだ。どう見てもそのまんまに見えるけど」

今もすでに戦意喪失している不良くん達に、本物の教育的指導的に脅しをかけている皆。

そんな光景に口元をヒクつかせながら微妙な笑みを浮かべているタロ君がいて、

「……嫌じゃない?」

「えっ?」

「つまり……こんな私でも…つきあってくれる?」

「っ……」

始まりと真逆だ。

今度は私の番だと、自分の立場を気にして改めてその確認を響かせる。

ああ、でも、『無理』だと言われてしまったらどうしよう?

あの時と違って好きだって感情も大きく育っている。

何より、タロ君のあの甘さが与えられなくなるのは……

「っ……いいよって言ってぇ……」

変なの。

不良なんか恐くない。ヤクザな人間でさえ身近で。

そんな私なのに……タロ君だけは恐い。

タロ君の反応だけは不安で……恐いの。

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