国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
緑竜がふと上を見上げる。ガラス張りの天井に開いた天窓が数か所見えた。

「そう、あの天窓から入ってきたの、お母さんは……この近くの森にいるのね? なら、安心だわ」

ミリアンがその場に足を崩して座ると、小さな緑竜はひょこひょこと左右の翼でバランスを取りながらミリアンの膝の上にのってきた。

「ふふ、可愛い」

その仕草に思わず笑みがこぼれる。すっかり懐かれてしまったようだ。膝の上ですっぽり身体を収め、緑竜はグルグルと喉を鳴らして気持ちよさそうにしている。

(レイ様……今夜はここへは来ないのかしら?)

所有物だと言って横柄に自分を囲い冷たい目で見つめてくる。それでいて時に優しいと思ってしまうくらい、穏やかな口調で語りかけてきたりもする。ミリアンはふと、あの時レイに口づけられてしまったことをまた思い出した。

(もう、何考えてるの私……)

彼の存在はミリアンにとって未知だった。あの男が母を殺したのではないか、という疑念もまだ晴れたわけではない。本当は憎むべき相手なのかもしれないのに、ミリアンはレイのことを考えずにはいられなかった。
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