国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ミリアン? いったい何を……?」

いきなりドレスを脱ぎだすという不可解な行動に、怪訝な表情を浮かべてジェイスは歩み寄る足を止めた。

真摯な眼差しがミリアンを見据える。必ず守る、死なせたりはしない。その瞳が無言でそう言っていた。それに対し、全身全霊で信じる。とこくりと頷いてみせた。

ミリアンの決意にレイの目元が一瞬ふっと和らいだかと思うと……。

「お前を愛している」

「え……? あッ!?」

刹那。ぎゅっと身体を抱きすくめられる。そしてふわりと身体が浮いた。視界がぐるりと回転して金色の揺れる髪の隙間から、驚愕に口と目を開いたままのジェイスの顔がちらりと見えた。

それを最後にミリアンの記憶はそこで途絶えた――。
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