はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
私は、話の方向を変えるように呟いた。



「彼女、可哀想だね…。」



それを聞いたみんなは、怪訝そうな顔をした。



「何で?羨ましいじゃん。」



「周りが世話してくれるし。」



「でも…好きな人にあげるチョコ、あんな風に干渉されたくないな。

私だったら、自分の足で歩き回って選んだものをあげたいって思うよ。」



お嬢さん扱いをされればされる程、自由は無いってこと、私は知ってる。



「…若菜の、言うとおりかもね。」



しんみりした空気が漂った。



「それよりチョコ買いに来たんだし、何買うか決めようよ。」



その一言で、私たちはチョコ選びを再開した。



しばらくして、ウチに出入りしてる外商にバッタリ会った。



向こうは母みたいな奥様相手だから、私のことなんて覚えてないと思ってたのに…。



声をかけようと近寄ってきたから、ヤバイ。



「私、ちょっとトイレ。」



そう言うと、私は踵を返した。



だから、デパートに来たくなかったんだ!











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