はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
「べ…別に、お口にしてくれても良かったのに…。」



そう言ったものの…。



否、唇にして欲しかったんだと悟った。



「ここは、恋人のために取っておきなさい。」



坂下はそう言いながら、指で私の唇をなぞった。



部屋が暗くて良かったと、頬が熱くなるのを感じながら思った。



「暗くなってきましたので、帰りましょうか?」



坂下は、部室を出るよう促した。



このまま、ここに居たい。



だけど、間違った方向に突っ走っていきそうで…。



私は、踏みとどまった。



「パパ、ありがとね。」



巨大キャンディを掲げて言うと、部室をあとにした。



校門で、告白シーンに鉢合わせた。



この前デパートで見かけた、聖女のミドリコ…だったかな?



こんな場面でズカズカ歩くわけにもいかず、私は裏門に方向転換をした。



遠回りになるけど、火照った顔を冷ますにはいいかも…。









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