はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

お兄ちゃんが、大学入試に失敗した。



最高峰の大学合格者を輩出する名門進学校で常に学年3位をキープし、合格確実と言われていたのだから、家族みんなびっくりしていた。



落ちこぼれの私を叱り慣れているジイサンでさえ、お兄ちゃんの出来事は青天の霹靂だったようで、口をポカーンと開けたままだった。



お兄ちゃんのことは笑い事じゃないけど、ジイサンの顔は笑えた。



ジイサンの顔見て笑ったら、怒られたけどね…。



さて、お兄ちゃんといえば…



センター試験までは、余裕っていうくらいだった。



だけど、二次試験の前日あたりに、ちょっと様子がおかしいと思った。



といっても、何があったかなんて聞けるほど、兄妹仲は良くない。



お兄ちゃんは帰ってくるなり、部屋に閉じこもった。



夕飯の時、書生が呼びに行っても、要らないと言ったらしい。



翌日の朝になっても、お兄ちゃんは部屋から出てこなかった。



「大雅、まだ部屋に籠もったままなの?

みんな揃ってから、ご飯にしようと思ったのに…。」



母が、そう言ったからか



「大雅を、呼んできなさい。」



ジイサンが、書生に向かって言った。



「あ、私が呼んでくるよ。」



私が一番廊下に近いところにいたから、お兄ちゃんの部屋に行くことにした。



「お兄ちゃん、ご飯!」



部屋の前で3回ほど呼んでも、返事が無かった。



「お兄ちゃん、入るよ!!」



しびれを切らした私は、襖を開けた。



そこで、私が目にしたものは…。









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