はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
私は渋々、校門に向かった。



確かに、担任の言うとおりだ。



お兄ちゃんが亡くなったばかりで、フラフラと出歩くのはどうかと思う。



だけど、ジイサンがいる家には帰りたくない。



いっそのこと、このまま家出してしまおうか…。



校門前には、さっきの赤い車がまだ停まっていた。



「サンキュー。

おかげで、ちゃんと話できた。」



あぁ、さっきの軽薄男か…。



「じゃあ、お礼してよ。」



「礼?」



「どこかに、連れてって。」



「学校サボって?

…まぁ、良いけど。」



私は、赤い車に乗り込んだ。











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