はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
部員全員を集めて話した内容は、文化祭のことだった。



今年は、全員にステージパフォーマンスをしてもらうという。



大方、3年が私の処遇に難色を示したのだろう。



もう、面倒なことはゴメンだ。



ってか、文化祭の話するにはちょっと早すぎるんじゃない?



そう思っていたら



「今から頑張っても追いつかない人、いるんじゃないんですかぁ?」



1年がそう言いながら、こっちを見た。



「はなから、参加する気無ぇし。」



野田先輩が苦笑いしながら呟くので、思わず聞いてしまった。



「じゃあ、何で書道部入ったんですか?」



「2年に上がる前、入部を強制させられて仕方なく…。」



今の3年は、最初から全員が部活に入らなくても良かったんだっけ…。



「1番サボりやすいとこ、選んだ?」



「当たり。」



「先輩、バックレるなら付き合いますよ?」



「才媛の口から、そんな言葉が出るとはね…。」



お互いに顔を見合わせて笑っていると、机を叩く音が響いた。



机の上に乗せられた手から先を、視線で追っていくと…。



眉間に皺を寄せた坂下が、私たちを見下ろしていた。








< 174 / 286 >

この作品をシェア

pagetop