はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
その時、廊下をバタバタ走る音が響いた。



「誰だ!騒がしい!!」



ジイサンが襖を開けると、父が飛び込んできた。



「若菜ちゃん、無事だったんだね!?」



そう言うなり、私の前に座りこんだ。



「倖雷、少し落ち着け。

この人騒がせ、友達の家に無断外泊してただけだ。」



「ちゃんと、手紙書いたし!」



私は、ジイサンのセリフに応戦する。



事の詳細を聞いた父は、ジイサンの反対を押し切って、私に携帯を持たせることに決めた。



こんな形で、携帯が手に入るとは思わなかったな…。



部屋に戻る時に、お兄ちゃんに会った。



「お前、悪知恵は働くんだ?」



そう言いながら、高校の入学祝いに買って貰った携帯をいじっていた。



「お兄ちゃんは良いよね、手に入れられないもの無いんだもん。」



私はそう言い捨てると、自分の部屋に閉じこもる。



お兄ちゃんだけ、何の苦労もしないで欲しいものを手に入れられるなんて…。



神様は、不公平だ。










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