だから何ですか?



どんな悪循環だよ。と思わず零れたのは歓喜一色の苦笑い。


どこまで俺の予想外なお嬢さんなんだと額を合わせ、存在を確かめる様に抱きしめ息を吐く。


この寒い冬の夕刻の屋上で何をしているんだか。


もうとっくに置き捨ててきたような青春漂う恋愛模様をこの歳になって再び味わうとは。


【大人の駆け引き】対【純粋無垢】


向き合う形が違いすぎて両想いである筈なのに、どこまでもお互いに片想いしている様に食い違って『好き』の感情だけが強まっていく。


手放しくないと腕の中の存在に独占欲強まったようなタイミング。


今まで大人しくしていた彼女がモゾッと動きを見せたかと思うと、



「あの、・・・そろそろ本当に時間が」


「・・・・行かせたくねぇぇぇ」


「飲み込んだし充電もされたのでは?それにさっきからポケットの中で携帯が震えてたんですよ」



そう言いながら余韻もなく、スッと俺の胸を押し返して離れた彼女のつれなさときたら。


さっきまでのアレはなんだった?と突っ込みたくもなる。


そんな俺の感情なんでまるで気がついてもいないらしい彼女はその視線をひたすらに携帯に向けて指先を動かしている。


< 123 / 421 >

この作品をシェア

pagetop