だから何ですか?




心の中ではひたすらに鬱陶しいとうんざりの顔の俺であるけどそれを表面に出すほど大人げなくもない。


場の空気を壊す気もなくて『ははっ』と軽い笑いで流し、複雑な感情を飲み込むようにグラスを運んでビールで流し込む。


ほら、話は終わったぞと暗に示したつもりだというのに、女子が盛り上がる話題には便乗して盛り上がれな男性陣ときたもんだ。



「ああ、でも、伊万里ってウチの部署の小田っちとちょっといい感じなんだよなぁ」


「っ・・・はっ?」



おいおいおい、それこそ合コンの場で言う事か?


逆に盛り下がる話題じゃないのか井田!


まさかの同僚のぶっ込み話題には軽くビールを噴きそうになるほど驚いた。


とんでもない発言をした男はこちらの動揺なんてお構いなしに女性陣が食いつく勢いにご満悦でにこやかに言葉を続けるから心底焦る。



「小田さんって、あの小柄でショートカットの?」


「そうそう、我が部署のアイドルというかマスコット的な」


「小田さんて確か他の部署の男性にも噂されてましたよ。仕事も出来て気さくで可愛くってって」


「そうそう、小田っちって本当憎めない可愛い子なんだよねぇ。小田っちには今ここで能面の様に飲んでる伊万里君だってにこやか愛想よく盛り上がっちゃうんだから」



い~だぁぁぁぁぁ!!!!


そんな突っ込み俺本人にさえした事ねぇだろ!?


ずっと突っ込みたかったにしろ何でこの場で勢いに任せて持ちあげてくるんだこの野郎!!




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